金峰山 2016.6.12-13

きんぷさん・2599m




朝日岳山頂付近から金峰山(右)を見る。

歩行距離 9.7km
所要時間 5時間55分(1日目)/40分(2日目)
累積標高差 (+) 441m  (-) 1278m
コース (1日目 大弛峠〜富士見平小屋)
大弛峠08:50 → 朝日峠09:20 → 朝日岳09:55 → 金峰山11:00  → 砂払ノ頭12:30
 → 大日岩13:25 → 富士見平小屋14:45 

(2日目 富士見平小屋〜大弛峠)
富士見平小屋-07:35 → 瑞牆山荘08:15


休暇もそろそろ終盤に近づき何となく落ち着かない。そんな中、会社から電話があり、次に乗る船に関する打ち合わせをするため東京にある会社に行くことになった。そこで思いたち会社に行く日の2日前に萩を出発して、山梨県と長野県の県境にある日本百名山・金峰山と瑞牆山に登る計画を立てる。この前会社を定年退職した東京に住む先輩を誘ったが、あいにく新しい会社での仕事が忙しくバンコックへの出張があるとのことで行けないという。しょうがないから単独で登ることにする。山の写真を見ると険しい岩場の危険個所があるようだ。山の詳しい様子がよく分からないので不安が募る。滑って落ちたらどうしようか。熊が出てきたらどうしようか・・・。

2002年〜2010年まで東京にある会社で陸上勤務をしていて千葉県の市川市に住んでいたことがある。その時期、会社の先輩と一緒に奥多摩・丹沢の山によく登っていた。2010年5月、陸上勤務がもうすぐ終わるとうとする頃、この金峰山と瑞牆山に登る計画を立てたことがあるが、しかし忙しさもあり結局登頂を果たさすことはできず東京を離れた。それから海上勤務に戻り早6年、今回はそれ以来の初チャレンジとなる。東京までの往復の旅費は、会社もちであるがそれ以外の交通費、宿泊費は勿論自腹になる。二つの日本百名山を登るだけなのにかなりの出費である。我自称軽キャンパーで来ればもっと多くの山に登れるのであるが・・・。歳をとるとともにセコく、そして孤独になっていく自分に気が付く。数年前までの自分はもう少し気前が良かったと思うのであるが・・・。天気予報では明日の山行1日目は何とか天候がもつが、2日目は雨になるという。

東京羽田空港までの移動のため山口宇部空港の駐車場に車を停める。空港の駐車場は無料なのでいつも助かる。そのためか駐車場は満車状態で空スペースを見つけるのに苦労する。 ANAの便に乗り山口宇部空港を出発。最初空は曇っていていて何も見えなかったが、東に行くにつれて徐々に雲がとれてきて窓越しに眼下の景色が見えるようになる。関東近辺はまだ晴れていて、間もなく羽田空港への着陸態勢に入ろうとする機内から富士山を見る。まだ少し残雪がある。羽田空港から京急、山手線、中央線を乗り継ぎJR甲府駅に降り立つ。予約しておいた駅のすぐ近くの東横インに泊まる。節約のため夕食は家でこしらえておいた弁当を食べる。自分で作った弁当はボリュームがあり美味しいのだ!。

翌朝、甲府駅から天山駅までJR中央線を東京方向に数駅戻る。電車から見えるすり鉢状の甲府盆地は広大で、住宅と住宅の間にあるブドウ畑が絶え間なく続く。天山(てんざん)駅から予約しておいた大弛峠行きのマイクロバスに乗る。日曜日だからだろうか同乗者は、自分の他に中高年男性1名、若者2名である。昨日の土曜日には合計で100名近くの人がバス利用したとのこと。愛層のいい朗らかな運転手さんの運転で急カーブが続く峰越(みねこし)林道を走り高度を上げていく。道の両側は針葉樹に変わっていく。車内から時おり北岳、特徴的な甲斐駒ケ岳、鳳凰三山など南アルプス北部の山々を見る。大弛峠に近づくにつれて左手に金峰山の山稜が姿を現す。山頂付近と思われるところに迫力のある巨大な岩がそそり立っている。その絶景に少しの興奮を覚える。08:40予定よりも10分早く大弛峠に到着する。峠の駐車場は停めきれないほどの車であふれている。大弛峠は標高2360mにある。同乗していた中高年男性は、金峰山と反対側の甲武信ヶ岳を目指すという。

準備を整え、クマよけの鈴を鳴らしながら金峰山登山口に入っていく。最近東北の山で熊に襲われる事故が多発しているので緊張しながら歩く。沢山の登山者が行き交うので少しは安心だ。風は適当に涼しく緩やかな上りの快適な針葉樹の尾根道を歩いて行く。やがて左手の木々の間に富士山が見え隠れする。富士山を見ると登山者の誰もが足を止めて写真を撮る。道はいったん下り坂になり多くの登山者が休憩している朝日峠に達する。再び登りになり展望が開けたごつごつした岩の道になる。そこからは左手に富士山が、後方には甲武信ヶ岳などの奥秩父山群がよく見える。この尾根は昔よく登った東京の奥多摩の山々に続く。しばらくすると朝日岳山頂に達し前方に鉄山、そのむこうに目指す金峰山を見る。

朝日岳を下り登山道の両側にシャクナゲの木が目立つようになるがまだ咲いていない。鉄山の分岐を過ぎ巻道を行く。低木の道を抜けると視界が開け広大な賽ノ河原にでる。右手には八ヶ岳連峰が、その手前に瑞牆山が見える。その標高2230mもあるが眼下にそびえるその岩峰は金峰山から続く稜線の一部のように見える。なだらかな稜線のハイマツ帯を過ぎ、大きな岩が積み重なった広場の中にある金峰山山頂に到着する。突然山頂のすぐ先に高さ10mもありそうな巨岩が姿を現す。御像石(五丈石)である。そそり立つ四角い岩が積み重なった大仏様のようなその姿には圧倒的な存在感と迫力があり、しばらく見とれてしまう。その手前の広場に数十人の登山者が集まっている。偶然にもこれからちょうど長野県主催の開山祭が始まろうとしていた。折角なので開山祭に参加し神主さんのお祓いを受ける。

開山祭はまだ続いているが途中で抜け出し先に進む。五丈岩の右側から険しい岩稜の稜線が大日岩まで続く。行けるかどうか不安になる。岩稜にはイワカガミがところどころに咲いている。金峰小屋に向かう道の分岐をすぎるころから、ぽつりぽつりとシャクナゲの花を見るようになる。千代ノ吹上を緊張しながら歩く。左側は切り立った断崖だ。砂払ノ頭を過ぎ急坂の樹林帯の中に入る。登山道沿いには沢山の見ごろのシャクナゲが咲いている。 巨大な大日岩を前に見る広場で左に折れ稜線を外れ更に下っていく。シャクナゲの森を下り14:45富士見平小屋に到着する。

富士見平小屋は若夫婦により切り盛りされている。コの字型の広い寝室に案内される。今日の宿泊客は、自分を含め2名だとのこと。まずはビールを2缶(1缶500円)、小屋の人の話を聞きながら飲む。食事は頼まず素泊まりなので夕方小屋の前のテーブルで自炊の晩飯を食べる。アルファー米のエビピラフと鯖の缶詰、つまみに小屋名物の鹿肉のソーセージ(1000円)を注文する。しばらくしてもう一人の宿泊客である中高年男性が横に座り、食事をしながら話をする。明日瑞牆山に登るという。持ってきた500mlの焼酎を飲み干し、更に小屋に屋久島の焼酎「三岳」が置いてあったので、お湯割り(800円)をたのむ。美味しいので3杯も飲んでしまう。結局合計で4400円の出費になった。まあいいか。若夫婦の一生懸命さを見ているとつい売り上げに少し協力したくなってしまうのである。空も暗くなり寒くなったので寝ることにする。いつもより飲み過ぎでだいぶ酔ってしまう。

早朝、激しい雨音で目を覚ます。2日目にもう一つの百名山である瑞牆山に登る計画であったが滑って転げたらいけないので中止することにする。雨具を着込み出発準備を整え、ゴールである瑞牆山荘前から出る朝のバスの時間に合わせ、富士見平小屋を出発する。ずっと雨が降り続いている。広い登山道を40分間下り瑞牆山荘前のバス停に到着する。雨が止まないので瑞牆山荘の外で雨宿りさせてもらう。時間通りに到着したバスに乗り韮山駅に向かう。乗船日が近く少し落ち着かない山旅であったが、これでまた一つ日本百名山に登ることができ満足する。明日から2日間の川崎と東京で研修を受ける。



東京羽田空港に向かう機内から富士山を見る。

更に東京湾の入口・浦賀水道を見る。

JR甲府駅

JR甲府駅前にある竹田信玄像

天山(てんざん)駅からマイクロバスに乗る。

天山駅前にも武田信玄像がある。

マイクロバスは大弛峠(標高2360m)に到着する。

反対側には甲武信ヶ岳の登山口がある。

金峰山の登山口に入る。距離3.6km。

針葉樹の尾根道を行く。

いったん下りになり朝日峠に達する。

朝日峠

左手に富士山を見る。

バイケイソウ

朝日岳東側直下の岩場を行く。展望が開け絶景を見る。

後方・東側に奥秩父山群を見る。


後方・南東側の山々を見る。


富士山など南側の山々を見る。

朝日岳山頂付近から鉄山、金峰山を見る。

金峰山へ向かう。

鉄山山頂への分岐・山頂へは向かわず巻道を通る。

・・・

森林限界を過ぎ、賽ノ河原に出る。歩いてきた稜線を振り返る。

金峰山山頂に向かう広い稜線を歩く。右手に大日岩と瑞牆山を見る。稜線の一部のように見える。後方には八ヶ岳を見る。


御像石(五丈石)を見る。

岩のな中に山頂標識がある。

金峰山山頂にて

もうすぐ開山祭が行われるとことであった。

開山祭は長野県が主催。

開山祭をぬけ大日岩方向に向かう。


開山祭をぬけ大日岩方向に向かう。



・・・
五丈石を振り返る。→

絶景の岩稜の稜線を行く。

金峰山山頂方向を振り返る。

金峰小屋に向かう道の分岐を過ぎる。

岩稜にイワカガミが咲く。

岩稜にシャクナゲを見る。


千代ノ吹上付近を行く。

千代ノ吹上付近を行く。

大日岩、瑞牆山その向こうに八ヶ岳連峰を見ながら歩く。


小鳥を撮る。
←千代ノ吹上を振り返る。

砂払ノ頭を通過する。

樹林帯の急坂を下る。

登山道沿い沢山のシャクナゲを見る。


大日岩前の広場
←巨大な大日岩

シャクナゲ

シャクナゲ

シャクナゲ

大日岩の横を通過する。

岩場に鎖場が2かの綺麗なシャクナゲ

大日岩前の広場近くのシャクナゲ

・・・

富士見平小屋を目指す。

無人小屋の大日小屋を眼下に見る。

大日岩を振り返る。

富士見平小屋が見えてくる。

富士見平小屋に到着する。

ベニドウダン?

富士見平小屋・今晩の宿泊客は2名だけ。

小屋の前で微かに見える富士山を見ながら夕食を食べる。

富士見平小屋でのサービス

富士見平小屋・アルコールランプが美しい。

富士見平小屋の食堂

雨の降る中、ゴールの瑞牆山荘のバス停前に到着する。




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